医療接遇には、挨拶や言葉遣いなど基本的なものから、患者との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力や、医療事故を防ぐための身だしなみまでさまざまな要素が含まれます。
医療接遇の徹底によってもたらさせる効果の一つが、患者から選ばれる医療機関になるというものです。
医療は時折サービス業に例えられます。患者が抱える病気を治すのが医療機関の役割ですが、医療をサービス業と捉えれば、ただ治療を行うだけでは不十分といわざるを得ません。患者の不安を取り除き、患者のニーズに最大限応えてこそ、本当に満足できる医療といえるのではないでしょうか。
患者へ満足できる医療を提供できれば、きっとその方は次なにか不調を感じたときも同じ病院を訪れるでしょう。このような状態の実現に一役買ってくれるのが医療接遇です。思いやりの心で患者一人ひとりと接する医療接遇が徹底されれば、患者の不安や求めていることを十分にくみ取り、質の高い医療、そして患者に選ばれる医療に繋げられます。
また、スタッフの労働時間が短くなることも医療接遇による効果の一つです。医療接遇を徹底すると、医療機関を訪れる患者は院内で快適に過ごせるようになります。すると些細なトラブルや不満に対するクレームが減少し、看護師や医療事務などのスタッフがこれらに対応する時間も減少するでしょう。その結果、スタッフの労働時間が短縮できるのです。
また、医療接遇によって患者との信頼関係を早期に築くことができれば、短い問診時間でも患者の状態を把握できるようになるため、さらなる勤務時間の短縮に繋がるかもしれません。