「人を思う心」の育て方 「接遇」と「接客」の違いから考える

「接遇」と「接客」の違いから考える

看護師の仕事は接客業に分類されませんが、患者やその家族に対する接遇が求められます。なぜなら、病院の評価は医療の高さで判断されるだけではなく、看護師や医師の接遇も含めて評価される傾向があるからです。

「接遇」と「接客」は言葉だけ見ると似ているように感じますが、内容は少し異なります。接客の基本は、お客さんを不快にさせないようにマナーのある態度や言葉遣いで接し、マニュアル通りの対応をすることです。
一方、接遇は患者を不快にさせないようにマナーのある態度や言葉遣いで接するだけでなく、場合によって威圧感を与えないようなフランクな言葉遣いや態度、積極的なコミュニケーションなどが求められます。

上記のことから、看護師が身につけるべき接遇は一般的な接客とは異なります。
身だしなみを整えたり、きちんと挨拶したりするのは基本中の基本であるほか、一人ひとりの患者に合わせたコミュニケーション方法を構築することが大切です。
しっかりと患者の話を聞き、必要な情報を与えたり、改善のためのアドバイスをしたりと、マニュアルに沿った対応ではなく自分で考える能力が必要なのです。

看護師が適切な接遇を行うことで、患者の病院への満足度も高まり、支持される医療機関へと成長させることができます。また、勤める病院が支持されることで、職場環境が良くなることも期待できるかもしれません。評判の良い病院には良い人材が集まるので、チームとして働くスタッフの質も向上することでしょう。